モントリオール赴任400日「海外生活はどう?」
早いもので、モントリオールに赴任して400日が経ちました。
親子3人、猫2匹。日本語と猫語しかできない家族でしたが、なんだかんだ1年が過ぎましたので、いまの心境を書いておこうかと思います。
書いていたら長くなったので、今回は「生活編」。
※あくまで個人の感想です。
結論から言うと、「まあなんとか慣れてきたかなぁ」という感じ。
ビクビクしながら暮らしていた
赴任から1年が経って生活すること自体には慣れてきました。日々の買い物や通勤などは特に問題なくできます。
赴任したてのころは、近くのスーパーで買い物するのにもビクビクしてましたが、いまは大丈夫です。「レジ袋いりますか?」の仏語が聞きとれずに毎回フリーズしていたのもいい思い出……(とかいいながら、いまだに聞き間違えます)
役所手続きなども、ほぼフランス語だったので、通訳なしではそもそもスタートで躓いていたと思います。
銀行口座の開設や携帯電話の手続きにも苦戦した覚えがあります。カナダのクレジットカードが完成し、ひとりで受け取りに行き、アクティベーションの電話を終え、使えるようになったときには妙な達成感がありました。はじめてのお使い、みたいな感じ。
同時に、「こんな簡単なことにも手間取るのか・・・」と軽くショックでした。
冬は引きこもる
11月~4月ぐらいまでは雪が降っていたので、あまり積極的には外出していませんでした。赴任して3ヶ月間はケベック州の保険証が無かったこともあり、雪で滑ってケガでもしたらイヤだなーという気持ちもありました。
性格にもよるのでしょうが、妻も私もそれほどアクティブなタイプではなく、ウィンタースポーツや、カナダで人気のホッケー観戦などにも全くと言っていいほど興味はありません。なので、冬の間はほんとうに静かに日々を過ごしていました。
ちょっとずつ知り合いが増える
半年経ったぐらいから、ご近所さんと挨拶や簡単な会話を交わすこともできるようになりました。とはいえ、「今日は寒いですね」とか「お元気ですか?」とか、そんなレベル。1年ちかく経って、やっとご近所さん宅へ遊びにいけました。
ちょっとずつ日本人の知り合いも増えてきました。知り合いづてに別の日本人を紹介してもらったり、ブログからメールをいただくパターンが多いです。モントリオールにいる日本人は少なく、小さなコミュニティという印象です。(出会っていないだけで、本当はたくさんいらっしゃるのかもしれませんが)
知り合った方々からたくさんアドバイスをいただいたり、子どもの服やおもちゃなどをいただいたり、いつも助けていただいています。ありがとうございます!
夏は短いが、すばらしい
6~7月ぐらいにやっと暖かくなってきて、それからは近くの公園やダウンタウンなどに出歩く回数も増えました。夏はイベントも多く、雪もないので気分的にも清清しい感じでした。
モントリオールは公園や自然も多いので、週末は家族と一緒に近くの公園に行く事が多かったです。早朝から自宅でコーヒーを淹れて行き、パン屋でクロワッサンを買い、公園のベンチでゆっくりするのは最高でした。
娘が1歳半を過ぎ7月からは、保育園に預けるようになり、妻もひとりでダウンタウンまで出かけられるようになりました。
モントリオールの人は親切でやさしい
私たちの住んでいるマイルエンドエリアは、ダウンタウンから少し離れていることもあって、行き交う人々もそれほど多くなく、静かな印象です(赴任前に住んでいた福岡市よりももっと人が少ない)。ゴミゴミしていないのはありがたいです。歩道も広い。
子連れでバスやメトロに乗ったりすると必ず席をゆずってくれますし、通路やスペースを開けてくれたりします。階段などではベビーカーを持ってくれたり、困っている人を助けることに躊躇がないです。
子どもと散歩していると気さくに声をかけられることが多く、田舎の実家に帰ったときのような気分になります。
私たちの片言英語にもちゃんと耳を傾けて聞いてくれたり、フランス語が通じないとわかると英語にスイッチしてくれたり、かなり親切です。
日本と比べてしまう病
モントリオールの生活に慣れてくるにつれて、いいところも不便なところも見えてきました。例えば、病院で6~12時間待たされたり、英語系の保育園が見つからなかったり、タックス申請がめんどうだったり、街中でちょっと差別的な言動やジェスチャーをされたり…
そういうことがあると、ついつい「日本ではこうじゃないのに…」と比べてしまっていました。(それがさらに重なると「日本帰りたい病」に発展したりします…)
ひとつひとつは大したことないのですが、細かな気がかりが積み重なるとストレスを感じてしまいます。特に移住直後は過敏になりがちでした。
相談相手の少ないこの環境では、どうしても内向きになりやすいので、気分転換が大事だなぁと思います(これも性格によるかもしれませんが)。10月に日本に一時帰国できたのもいいタイミングだったなぁと思います。
最近は、「モントリオールはモントリオール! 日本は日本!」と、ある程度は割り切って考えられるようになってきました。慣れてきたのか、図太くなってきたのか。
まとめと補足
- 英語とフランス語ができなくても、日々の暮らしぐらいは何とかなる(話せたほうが絶対にいいが)
- 住むエリアによっても、英語寄りかフランス語寄りかが分かれるので、慣れるまではダウンタウン付近やNDGなどに住むのがいいのではなかろうか?
- 役所などの大事な手続きは、ほぼフランス語なので話せる人に手伝ってもらったほうが安心
- 病院はかなり待たされるので覚悟して行くべし(モントリオールに不安があるとすれば医療面)
- 冬は寒くて半年ぐらい続くので、ウィンタースポーツなどを楽しむか、インドアでも楽しめる趣味などがあると尚良し
- その分、夏場のモントリオールは最高である
- モントリオールの人はけっこう親切
- 日本と比べすぎるとしんどくなるよ
ということで、400日目の感想でした。あくまで個人の感触なので、参考程度に。(もっと気楽にエンジョイしている方もいることでしょう)
私としては、はじめての海外生活でしたので生活基盤を築くための1年でした。赴任直後はバタバタしすぎて、最初の3ヶ月間ぐらいはほとんど記憶がありません。
家族という話し相手がいたのも良かったなと思います。妻や娘、猫たちと一緒に赴任してこれたのは本当にラッキーでした。家に帰るとホッとしますしね。
もう少し言葉ができれば、もっと楽に暮らせそうなので、2年目はもう少し勉強する時間を作りたいところです。まだまだひと波乱ありそうな気がしますが、モントリオール生活2年目を楽しんでいきたいと思います!
さて、次は「仕事編」を書こうかなと思います。
現場からは以上です。A la prochaine !
ヤマノウチ